2021年の東京パラリンピックで見事銀メダルという歴史的快挙を成し遂げた車椅子バスケットボール男子日本代表。
強豪・アメリカにあそこまで戦えるもんなのか・・・!
非常に感動しました!めちゃくちゃカッコよかったですね。
途中までリードした展開もあっただけに期待してしまいましたが、あと2ゴールが遠かった・・・。
次の2024年パリパラリンピックこそは金メダルを狙っていただきたい!
ところでこの車椅子バスケですが、そう言えばちゃんとしたルールは知らないかも・・・。
一般的なバスケとは何が違うのでしょうか?
そんな車椅子バスケについて調べてみました!
これを読めば車椅子バスケの歴史やルールも丸わかり!
車椅子バスケの歴史
車椅子バスケットボールは、第二次世界大戦終戦の年である1945年に生まれたスポーツ。
多くの障害者を生んだ第二次世界大戦後、米英両国で車いすスポーツが生まれ、バスケットボール発祥の地アメリカでは車いすバスケットボールが障害者自らの手で情熱を傾ける対象として急速に普及発展し、1949年には全米車いすバスケットボール協会が設立されました。
一方、1946年英国ではストークマン・デヴィル病院のグットマン博士により脊髄損傷者の治療法のひとつとして車いすポロやネットボール(バスケットボールの元となったスポーツ)が導入されました。
この2つの流れは1950年代後半にひとつとなり、車いすバスケットボールは競技スポーツとして世界中で盛んになっていきました。
車いすも当初は日常使用のものが用いられていましたが、だんだんに競技用のものが工夫され、現在はハイレベルな競技が行われています。
ー JWBF日本車いすバスケットボール連盟 公式サイトより引用 -
バスケットボールが競技として誕生したのが1891年のこと。
それから約50年後経ってようやく車いすバスケが出来たんですね。
日本に入ってきたのはさらに15年後の1960年(昭和35年)のこと。
全国への普及は1964年に行われた東京パラリンピックがきっかけなんだとか。
スポーツ全体で見てもまだ新しい競技であることがわかります。
今回の東京パラリンピック2020はもちろん、人気漫画「SLAM DUNK(スラムダンク)」の作者である井上雄彦先生が書いた「REAL(リアル)」という漫画でも取り上げられるなど、知名度はどんどんと高まっています。
車いすバスケのルールについて
車いすバスケのルールは、基本的には一般的なバスケと同じく、10分ピリオド×4クオーターの時間内にゴールにボールを入れ、得点を競い合うもの。
コートもボールも同じものを使用します。
試合に出場するのも5人ずつ。
得点も3ポイントラインの内側からシュートすれば2点、外側からであれば3点、フリースローは1点、とほぼ通常のバスケと変わりありません。
一番驚いたのが、ゴールの高さも同じ(3.05m)であること。
ご存じない方のために言っておきますが、座った状態でシュートしてまず届きません。
ゴール下ですらけっこうしんどいですよ。
パラリンピックでは簡単そうにシュートしていましたが、あれとんでもないです。
ましてや3ポイントなんかどうやったら届くの?っていうレベル。
尋常じゃないくらいのトレーニングをされていることが想像できます。
すいません、少し話が逸れました。
他にも同じように8秒ルールや24秒ルール、フリースローやファウルなどが存在します。
こんな感じで大枠のルール自体は一般的なバスケと変わりありません。
それでは車いすバスケ独自のルールについてみてみましょう。
トラベリング
選手がボールを持って車いすを手で濃いで(プッシュといいます)良いのは連続で2回まで。
3回以上プッシュするとトラベリングが適用され、相手ボールとなります。
ドリブルすればリセットされるため、また同じように2回プッシュして進むことができます。
一般のバスケのようなダブルドリブルは適用されません。
車いすからお尻を離してはいけない!
常に車いすに座ったままプレーをしないといけません。
シュートやドリブルの際にも、車いすからお尻が離れてしまうとバイオレーション(反則)を取られてしまいます。
上半身のみで動作を行わなければならないため、かなりの筋力が必要となります。
車いすに乗った状態ではジャンプすることが出来ないため、障がいの軽い選手は「ティルティング」と呼ばれる片輪を上げて高さを出す技術も!
とんでもないボディバランスがないとシュートすることすら難しいので、かなりの筋力と技術が必要なのです。
車椅子が転倒したら
バスケは激しい接触が禁止されているとはいえ、急に止まることができずどうしても接触が起きてしまうもの。
冷や冷やしてしまうほどに頻繁に接触プレーがあり、転倒することも珍しくありません。
車椅子が転倒した場合は、必ず自力で起き上がらなければいけません。
もし起き上がることが出来ない場合は、試合が一時中断され、スタッフ・選手などの助けを借ります。
ボールを持ったまま転倒した場合は相手ボールからのスローインで再開となります。
クラス分け
選手は障害の程度によって持ち点が1.0点から4.5点まで0.5点刻みでクラス分けされています。
クラスの基準は以下の通り。
ー 日本車いすバスケットボール連盟 より引用 ー
また、コートに出ている5人の持ち点の合計が14.0点以内でないといけません。
障害の重い選手と軽い選手が平等に試合に出場することができる機会を与えるためだそうです。
このルールがなければ、当然障害が軽く身体の自由度が高い選手の出場機会が高くなってしまいますよね。
健常者クラスであれば4.5点に該当するので、このクラスの選手はコートに2人までしか入れないことになります。
このチームの編成も車いすバスケの見どころと言えるでしょう。
車いすについて
競技用車いすについてもいろいろと明確な規定があります。
たとえばタイヤの直径は69cmまで。
その他にも細かい規定が決められており、大会では細部まで採寸が行われます。
主に軽くて丈夫なアルミやチタンなどが使われていて、急発進や細かいターンなどを実現してくれます。
一般的なものでも30万円程度、トップ選手であれば自分の高さや体形に合わせてシートやフレームをミリ単位でオーダーメイドするため、50万円は下らないとか・・・!
自らの脚となってくれる車いすですからね。
車いすバスケならではの楽しみ方
一般的なバスケと違ってダンクなどの派手なプレーはありませんが、平面を生かした緻密なプレーが要求されます。
例えば相手選手を自由に動かせないように自陣のコート内にとどめておけば攻撃や守備に参加できなくなります。
他にも障害の重い(動きの遅い)選手の動きを止めておき、先に攻撃側コートに行き数的有利を生み出すなど、状況に応じて誰を止めるかを使い分けます。
このような車いすバスケならではの駆け引きも見どころの一つです。
他にも華麗なパスワークやスピーディーな攻守の切り替えなど、車いすバスケはたっぷり魅力が詰まったスポーツなのです!
車いすバスケのルールと魅力 まとめ
以上、車いすバスケのルールと魅力についてまとめてみました。
日本の競技人口は800人程度とまだまだ多くないですが、車いすバスケは少しずつ浸透しつつあります。
ヨーロッパではプロリーグも存在するほどの人気。
基本的なルールだけでも理解しておけば、観戦がグッと楽しくなりますね!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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